滑車に光を載せて滑らせた先に辿り着いた山の向こうから、やがて飛び上がったそれが、辺り一面を銀に染め上げ、自身の輝きを反射させた。踏み込む度に、枕を硬く押し潰したかのような、いまにも光を受け、新たに自らが受けたそれを返す雪の音が響き渡り、その世界を照らす光だけでは無いことを知らせる。まだ、道半ば。静かに冷たくも、光に暖められるこの銀世界の頂上へ、夢から覚めるように。
11/18/2025, 12:16:06 AM