小説を投稿する璻(すい)

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'明日、もし晴れたら'


いつからだろう、ただの友人だった彼が特別になったのは。
いつからだろう、勘違いで済ませられたその感情がもう溢れてしまいそうな程膨らみ始めたのは。

いっそ言ってしまった方が楽なんだろうけど。今の距離が心地よくて、離れたくなくて。でもこんなこと続けていたら、いつの間にか彼の隣には可愛い女の子が並んでるだろうに。
ひとりになるとうだうだ考えだすのを止めるためテレビを付けた。天気予報がやっている。
「明日は、全国的に雨になるでしょう」
と、お天気お姉さんの声が静かな部屋に響く。

明日、もし晴れたら。彼に、この気持ちを伝えよう。
どうしようも無いこのモヤモヤをどうにかしたくて。でも勇気が出なくて、上手くいかなかったら誰かのせいにしたくて。そんな意味の無い予定を立てた。

8/2/2021, 9:13:44 AM