灰燼

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「ねぇ、僕らどっちに行けるんだろうね。」
君と手をつなぎながらポツリと言った。
できれば君が苦しまないでいられるところへ行きたいな、なんて思いながら。

  「どっちでもいいじゃない。どこに行ったってきっと
   何も変わらない。」
  痛みと苦しみ、心躍った美しい日々に想いを馳せなが
  ら答えた。そう。きっとどこに行ったって同じ。
  でも、あなたと一緒なら。

僕は君の役に立てたのかな。
  あなたがいたからここまでこれた。

「手、離しちゃだめだよ。」
  「うん。絶対離さない。」

あと少しで僕らの、私たちの番だ。大丈夫。二人ならなんだって乗り越えられる。今までと同じように。

5/27/2024, 2:24:55 PM