さくら ゆい

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【嵐がこようとも】

高校受験を控えた中学三年生のあの子はいつも見下されてばかりいて、教師にも助けて貰えず、クラスの片隅にぽつんと1人でいるような女の子だった。僕もずっとあのこと同じ状況にいる男子学生だから、親近感が勝手に湧いていた。

だから僕は話しかけにいつも同じ放課後にあのこに話しかけに行って、他愛のない話をするのだが、その話を聞いている彼女の顔は僕だけのものにしたいくらい可愛い顔をしている。その顔ばかり見ていると、自分は守りたくなって来てしまったんだ。別に見下されたままの彼女を観察し続けるだけでも良かったのだが、あんな彼女の可愛い顔なんて見てしまったら最後、好きになって行くばかりで見下されていくのを観察し続けるだなんて到底出来ないだろう。

そんなある日、放課後に僕は彼女のところにいつものように近づき彼女に他愛のない話をしてやるが、彼女は可愛い顔をして聞いている。
それが僕には耐えきれずについに『僕は君が好きなんだ、高校生になったら君と僕に危害を加えないところに逃げないか』と言ってしまった。
そして彼女は僕に『幸せになれるようにまずは君の彼女にならなきゃ』と返してくれたんだ。

その時に僕はこの子を嵐がこようとも幸せにさせるために守らなければならないと決心したんだ。


7/30/2024, 10:00:26 AM