※終わらない夏
一世紀前には四季、四つの季節があったと先生が言う。
「まず四月から六月くらいまでが春、七月から九月くらいまでが夏、十月と十一月が秋、十二月から三月くらいまでが冬。と、大雑把ですが分けられていました」
各季節の特徴がディスプレイに表示される。
「ここからテストに出ますよ。地球温暖化という自然現象が発生し、まず四季は二季、夏と冬に分かれました。それも次第に乾季と雨季、つまり今の季節になっていきました」
タイムラプスで一世紀の天候を一気見する。生徒が浮き足立ったのは、冬の雪景色だった。
「大昔の日本人は現在を見たら恐らくこう言うでしょうね。『夏か終わらない』と。現在の最低気温は大昔では最高気温だったのですから」
8/17/2025, 11:35:22 AM