「こんな夢を見た」から始まる小説

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こんな夢を見た。よく遊びに行く友人がいるが、目を合わせてくれない。大体、私の手元を見て話している。思い切って聞いてみようと、友人を遊びに誘った。友人は快諾し楽しんでいたが、やはり目が合わない。
「ねえ、何で私と目を合わせないの?」
尋ねると、友人は口ごもる。しばらく視線を彷徨わせたあと、声を絞り出した。
「聞かないほうがいい」
「どうして」
友人はそれに答えず、口を閉じてしまった。
「目を合わせられない理由が私にあるなら、言ってよ。何だか避けられてるみたいで嫌だ」
気になるから正直に言ってほしい。懇願すると、友人は言いにくそうに口を開いた。
「君に理由があると言えば、ある。けど、君のせいじゃないというか…」
普段の友人ははっきり言う性格だ。こんなに口ごもるなんて、よっぽど言えないことなんだろう。
「私と目を合わせられない理由があるのに、私のせいじゃない?どういうこと?」
友人は下を向いたまま、困ったように続ける。
「えっと…君の顔が見えないんだ」
困惑しながら続きを促すと、友人は意を決したようにこちらを見た。みるみる内に友人の顔色が悪くなる。
「君の顔に、鬼の形相をした人間の顔がたくさん重なってる。君の目を見つめると、ちょうどそれと目が合うから目を合わせたくなかったんだ」
なるほど、確かに聞かないほうが良かったかもしれない。

4/7/2026, 3:33:35 AM