銀色のアスファルトが続く長い一本道。
昔は土の道だったのに、アスファルトの道は固くて歩くたびに足が痛む。
道の周りにあった草木も家へと代わり、時代の流れを感じる。
君と歩いた道は、こんなにも変わってしまったよ。
初めて一緒に歩いたのは……学生の頃か。
君が学校から出てくるのを待ち伏せして、一緒に帰ってたな。
そんな私を、君は嫌な顔をせず、いつもニコニコしていた。
私は、あの笑顔に惚れたんだと思う。
一緒に帰ることが当たり前になり、いつの間にか手を繋ぐようになり、私達は結ばれた。
それからも、この道をよく一緒に歩いたもんだ。
私達の思い出の道だから、と言って。
だが、君は先に逝ってしまった。
君がいなくなってから、心にぽっかりと穴が開き、毎日物足りない生活を過ごしている。
君の存在が、すごく大きかったんだと思う。
私も、早く君の所へ……。
「あっ!おじいちゃん、またかなしいかおしてる!」
「わたしたちがいっしょだから、そんなかおしないで!」
孫達が、私の右手と左手をぎゅっと握る。
小さい手だが、力強さと優しさを感じた。
「おじいちゃんわらった!」
「えがおがいちばんだよ!」
「そうだな。ありがとう、二人共」
どうやら、私はまだ君の所へ行けそうにないみたいだ。
私は孫達と一緒に、長い一本道を笑顔で歩いた。
6/9/2025, 1:16:58 AM