「ダヴィンチの架け橋というものがある」
「ダヴィンチっていうとモナリザの人?」
彼は空を眺めながら言葉を続けた。
「紐や釘を使わず強度を保った橋のことだよ」
「……あの人画家じゃないの?」
「Wikipedia曰く、これだけの肩書きがある」
見せてきたスマホには数え切れない偉業が書いてあって、目が眩んだ。
「この人、もっと生きてたら乗れる虹とか作ってそう」
ぽつりとつぶやいた言葉に彼は目をまるくした。そんなに驚かなくてもいいのに。
「……君はいつもわけわからないね」
「なんで私は悪口を言われてるの?」
何事もなかったかのようにスマホに目を戻す彼の頭を手に持っていたノートで引っ叩いてやった。
【虹の架け橋🌈】
9/22/2025, 8:46:14 AM