Frieden

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「楽園」

妙に眠たい昼下がり。駄菓子をつまみながら課されたことをなんとかこなしている。

そこに自称マッドサイエンティストのあいつが話しかけてきた。桜餅の催促か?

「桜餅も食べたいけどさ!!!キミに聞きたいことがあってね!!!本来ならもっと上司とかに聞くべきことなんだけど、こういうのはキミに聞いた方がいい気がしたんだよ!!!」

ふーん。というか、あんたにも上司がいるのか……?結構意外だな。で、聞きたいことっていうのはなんなんだ?

「ボクが決めていいものかどうかはまだわからないんだが、宇宙を吸収した例の彼女の処遇をどうしたものか、と思ってね!!!」

なるほど……。本当に自分が答えてしまっていいのか?

「うーむ。確かにそれはそうなんだけど、ボクとしては感情を持ったニンゲンのキミに、彼女がどんな気持ちだったのかを改めて一緒に考えて欲しいんだ!」

「ボクが今までに取得したデータによると、彼女はおそらくかなり……『歳をとった』というか、とうに現役から退いた宇宙管理士だった存在なのだよ。」

「それから、なんらかの理由で悲しみ、怒りを持ってこの宇宙に入り込んだ!!!そして構造色の髪の彼に出会ってどういうわけか宇宙ごとエネルギーを吸収した!!!」

「ボクからしたらたまったもんじゃないよ!!!……まあそれはともかく、これ以上彼女にエネルギーを吸収されないためにボクらは彼女の作ったあの空間を事実上凍結状態にしたのさ!!!」

「そうしたら彼女は怒り狂ってボクに最大限の怨念を突っ込んだんだよ!!!……考えてもみれば、ボクは彼女にとっての『楽園』を奪ってしまったわけだからね。」

「仕方ないっちゃ仕方ない……のかなぁ?!!ボクとしては納得いかないけどね!!!」

「まあとにかく、これで話の大筋はわかったかい?!!」
なんとなくはわかった。

「それはよかった!!!……だが、ボクからすれば妙な点が幾つかあるんだよ!!!」

妙な点?まあそもそも自分としては規模が大きすぎて最初から理解の範疇を超えているから何とも言えないが……。

「まずひとつ目!!!そもそも彼女が宇宙にいること!!!お年を召した宇宙管理士は『眠り』につくはず……なのに彼女は目を覚まして宇宙を吸収なんてことさえしてくれている!!!」

「そしてふたつ目!!!彼女が力を残したままでいること!!!役目を果たした宇宙管理士は権限を封じられるはずなのになぜか彼女が空間を作ったりエネルギーを吸収したり出来ていることだ!!!」

「みっつ目は!!!『眠り』についた宇宙管理士はあるべき場所に安置されているはずなのに!!!なぜか宇宙にいる!!!これは他の管理士たちとみーーーーっちり話をつけないといけない案件だよ……!!!」

「それからよっつ目!!!現行の制度上、ちゃんと公認宇宙管理士の資格を取らなければ、また許可を得なければ宇宙ならびに特殊空間の管理はできない!!!にもかかわらず彼女は好き勝手やっている!!!」

「キミには何にも分からなかったかもしれないが!!!とにかく異常事態が起こりまくっている……ってことさ!!!」

なるほど……。こういう事情を加味して、未知の存在こと元宇宙管理士?の少女をどう扱うかを考えなければならないんだな?

「話が早いね!!!キミならどうする?!!」

そうだな……。自分なら……って言われてもわからない。
強いていうなら、役目を終えた宇宙管理士を管理するところに話を聞くくらいのことしか思いつかない。

「その先の話をしたいのに〜!!!」

そんなこと言われても困る!
何せ色々と入り組んでいそうな問題だから。

「……わかったよ!とりあえず、アーカイブ担当の管理士の所に向かおう!!!もちろん、キミも一緒にね!!!」

全く……。さらに厄介なことになりそうだ。

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なんと!!なんとなんと!!!
「読みたい❤︎」の数が1000を突破したよ!!!
すごいね!!!

読んでくださる皆様!!!読みたいと思ってくださる皆様!!!
本当にありがとうございます!!!

あまりこういうことは言わない方がいいのかもしれませんが!!!喜びと感謝を共有すべく書かせていただきました!!!

改めまして本当にありがとうございます!!!
これからもどうぞよろしくお願いします!!!

5/1/2024, 12:05:56 PM