閉ざされた日記
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彼を失った。
みなを明るく照らす太陽のようなヤツだった。
亡骸はなにも残らなかった。
ただひとつ、部屋の片隅に隠すように置かれた一冊の日記帳。
鍵も、なにもかかっていないただのノート。
指でつつけばすぐに中身を覗けるであろう、そのノート。
けれど俺には、未だ中身を見る勇気がない。
ノートの表紙を指の腹で撫で、ひとつ息を吐く。
「 あいつが、なにを思っていたかなんて 」
恨み言であればいい、けれど愛されていたなんて知ってしまったら、きっと俺は耐えられない。
そして、今日も俺はその閉ざされた日記を指の腹で撫でるのだ。
1/18/2026, 11:48:19 AM