最悪
夜中の2時に目が覚めた。こうなるといつもどおり、しばらくは眠れそうもない。
思い切って車に乗って、静寂の道を走らせた。
街を抜けしばらく走らせると、目的地が見えた。高台にある小さな休憩所。運が悪いと、熱烈なカップルがいることがあるが、今夜は運が良いらしい。
ミネラルウォーターのペットボトルを手に、車を降りた。手すりの側まできて一口飲む。
街を見下ろす。独り占めの景色。いくつか灯りが見える。僕と同じように眠れないのだろうか。
空気もだいぶ暖かくなってきた。夏になったら、ここに来る回数も増えるだろう。
全てを忘れてぼんやり。でも家々の灯りが見えるから、完全な孤独ではない、という不思議な安堵感。心地良い。
しまった。
ギターを忘れた。思いっきり自由に弾けると思ったのに。最悪。
6/6/2024, 11:24:09 PM