私は眼の前でピョンピョン跳ねているウサギを見つめる。
可愛いなぁ。思わず手を伸ばすと、ウサギは私の膝の上に乗って、私の手をくんくんと嗅ぐ。
「なにもないよ」
私が、そう言うと、何?という顔をして私を見つめる。
そんな風に楽しく触れ合いながら、私は学校での会話を思い出す。
友達に潔癖な子がいて、ウサギなんて汚いって言われた。
「フンも撒き散らすんでしょ、絶対私は無理だわ」
「そんなことないよ。ちゃんとケージでフンしたら片付けてるよ。だから綺麗だよ」
「そうなの?偉いね。私なら触るのも無理かも」
友人との会話を思い出しながら眼の前のウサギを見て、うーんと思う。
こんなに可愛いのに、価値観が違うと、捉え方も全然ちがうんだなぁ。
うさぎの頭をなでる。
目を細めてその場に丸くなる。
柔らかい毛玉の塊みたいにぐにゃりとする姿に癒やされまくる。
小さな命の鼓動を感じる。
小さいながらも一生懸命生きている愛しい命。
私にとっての大切な宝物のような存在だから。
だから、私はウサギを好きな自分で良かったと思う。
こうしてウサギを撫でている時間が私にとってのかけがえのない時間になっているから。
2/24/2024, 12:14:19 PM