子供の頃書いた
あの時の手紙の内容は一つも覚えてない
10年後の自分にお手紙を書きましょう、
やけに張り切る甲高い先生の声だけ
ちょっとだけ覚えてる
丁度二十歳になる頃家に届きます、と
でも僕はその前にそこから逃げ出した
もう一生僕には届かない手紙だ
まだ社会の事を知らないくせに
早く大人になりたかったあの頃
弱虫で、良い子ぶって、天邪鬼
一人で生きてる気になって
あんな大人にはならないと
心の中では見下して
でもきっと
僕はちゃんと僕の幸せを願ってた
そんな手紙だった気がして
10年後の僕から届いた手紙に
幸せを願っただろうその拙い字に
応える事はもう出来ないけど
僕が死ぬ時、答え合わせでもしよう
僕という一人の人間が
幸せだったか、不幸だったかを
2/15/2024, 1:22:31 PM