落ち葉の道
今日は少し足を伸ばして、
2人は紅葉が綺麗なことで有名な
神社にやってきた。
「わあーっ、モミジにイチョウ、
マツ…は緑か。こっちは、
ハナミズキだって!こんな真っ赤に
なるんだあ。『うーすべにいろーのー、
かわいいきみーのねえー』」
普段は自然なんかに興味なさげな、
同い年のアツト。鼻歌まで飛び出して、
なんだかはしゃいでいる。まるで犬みたい。とマナミは思う。
屋台のお団子や、たこ焼きを楽しみ、
次にアツトが見つけたのは、
おみくじだった。
「おみくじ、おみくじしよう!
えーと、15番。マナミは?87番。
まだ見ないで!せーのでいくよ。せーの…あ」
マナミは中吉。まあまあなところだろう。
アツトは、凶、しかも大凶だった。
明らかに落ち込むアツト。しまいには、
「もう俺、この神社来ないから!
絶対、二度と、来ない!」
口を尖らし、むくれるアツト。
そうだ、この人、お店だとか、
第一印象が大事な人だった。
この神社、素敵なのにな。
「もういい。帰ろう、マナミ。
もー、俺のそばにいてくれるのは
マナミだけだよな」
そう言って、マナミのリードを引くアツト。今日の夕ご飯はカリカリの何味かな。
こないだのチキン味がいいなあ。
真っ白な尾っぽをピンと立てて、
気もそぞろな犬のマナミと、
まだ落ち込み気味のアツトだった。
そんな2人の歩く、落ち葉の道。
11/26/2025, 7:44:48 AM