須藤 東

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『毎日のはじまり』

季節を一盛り色付ける
花々の息吹のように
明日に人々が忘れてしまう
夜空のカシオペアのように
ぼくは少ない輝きを手にして
大きな光のつぶを
どこかに失くして生きてきた
嘘が見え透いている
風に吹かれて
すこし前髪を乱した君が
伏目のまま白い手で
ひたいをおさえたまま
告白してくれた君に
ぼくはそう答えた
針時計の無機物な黒い針は
実は香りを嗅ぐと
甘いのかもしれない

「なら私の持っている、
ぜんぶここに捨てる」
ぼんやりしていたぼくに
君はちょっと強くそう続けた

3/27/2026, 10:53:49 AM