街中を歩いていた時に、不意に香った匂い
香りの先を振り返ってしまったけど、知らない人が居るだけだった。
あの人が居るわけないのに、未だに憶えてるあの人の香水の匂い
優しくて私を受け止めてくれたあの人はもう居ない。あの人と一緒になるって、家族に報告したら、反対された。
「あなたは治療を受けないといけないの」
訳の分からない事を言って、私を病院に連れて行った。そうして、あの人と会えなくなってもう1年経つ。家族からは、あの人はもう居ないとしか言われてない。そんなの信じられるはずがないから、わたしは探してるの。
あの人とまた会える事を…
ある証言
「あの娘は都会に就職して向こうで結婚を決めた方と出会ったの。でも、その方は不慮の事故であの娘の目の前で…… それからです。あの娘の中にあの人が現れたのは、私たちで買った覚えのない香水を付けて、一度お会いしたあの人と同じ振る舞いをするようになったんです… 」
お題「香水」
8/30/2023, 10:15:53 AM