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枕元のデジタル時計を見ると、ゾロ目が並んでいた。

寝起きの頭は、古の「キリ番」の文字を出してくる。
懐かしさと同時に湧き上がるのは、ささやかな高揚感だ。

ただ同じ数字が並んでいるだけなのに、何故こうも嬉しくなるのだろうか。
その答えは持ち合わせていないが、何となく良いものが見れたと微笑んでしまう。

駅へ向う途中の道では、百日紅がまだ鮮やかな色をして咲いている。
夏から秋まで咲き続ける花のバイタリティーには、目を張るものがある。
強い生命力がありながら、繊細な美しさもあるのだか素晴らしい。

心の中で百日紅に賛辞を送りながら道を進むと、植物が群生する空き地が見えてくる。

風の通り道でもあるそこは、この時期、賑やかな舞踏会が開かれている。
主役はビタミンカラーが晴れ晴れしい、キバナコスモス。
オレンジ色のフリルをフワリとさせながら、楽しそうに踊っている。
時折、飛び入り参加の蝶やトンボの姿も見られる。

愛おしい光景に心を洗われたなら、この後に待つ満員電車も耐えられるというものだ。

仕事でヘトヘトになって帰ってきたとしても、
お気に入りのソファーで甘いものをつまみつつ一服すれば、穏やかな気持ちは取り戻せる。
その際、推し達の投稿を見たならば尚の事心は癒され、明日も頑張ろうという気力が湧いてくる。

マイナスがあれば、それを転じる為のプラスが必ずある。

日々の中にある些細な事に目を向ければ、そこには小さな幸せが数え切れないほどあり、私たちの日常を彩っている。

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些細なことでも

9/3/2024, 2:51:37 PM