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ある夜、何だか怖い夢を見た。

内容が朧のようで曖昧だけれど、ぱちっと目が覚めてしまって、恐怖を心に抱えたままでは目を瞑ることも億劫だった

そういえばと思い立ち、隣の部屋で寝ている兄に押し掛けることにした。

その為には、ベッドから立ち上がりドアを開けて廊下を歩く必要があるけれど、1人でいるよりかはきっと何倍もマシ。

勢いのまま立ち上がってドアを開けて、突き当たりにある兄の部屋のドアノブに手を伸ばす。

後ろに何かいる

そう感じたのは直感でしかなかった。
理由などひとつもない。けれど、確信した

そのまま兄の部屋に入ってしまえばいいものを
身体が勝手に、振り向く

気配がするのは今いる場所とは真反対の廊下の突き当たり、物置部屋の扉からだった

絶対いる。なにが?怖いどうしよう

このまま兄のところに行けばどうとでもなる。
けれども扉から目を離せない。

怖い、怖い、怖い、怖い!

見ている扉のドアノブが下がる。
そのまま音もなく開いて、目にする

黒い、モヤのような物体が淡い相好を抱えた能面を付けている。
見た瞬間、心の中がズンと重くなったのを感じる。

立っていられない。

私に気付いた能面は、するすると私に近付いてくる。
近付いてくると同時に、脚が折れ曲がってペタと尻もちをつく。
ひんやりとした廊下がやけに生々しい。

声が出ない。

遂にそれが目の前まで来て、諦めた瞬間に目が開いた。
見慣れた、私の部屋の天井。


"こんな夢を見た"

1/23/2026, 10:37:11 AM