とある恋人たちの日常。

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 暑い日が続くから、涼しい場所でのデートをすることにした。
 何度か来ているプラネタリウム。
 
 今回もちょっと良いペアシートを選択。横になって宇宙(そら)を見上げられるシートで、最初に見てからとりこになっていた。
 
「今日のお話も楽しみだね」
「はい!」
 
 私と彼は、ペアシートに寝転がる。彼を見つめながら横になり目が合うと同時に笑い合う。
 彼の柔らかい笑顔が大好きで、胸が暖かくなった。
 
 始まる前にふたりで宇宙を見上げるように身体を仰向けにして、私は彼の手の甲に触れると彼の手が私の手を包み込む。
 
 上映が開始されると、青い空が深い深い紺に変わり、星々が美しい光を放ってキラキラしていた。
 
 吸い込まれそうな深い青だった。
 
 でも、彼と繋いだ手の体温は私と彼がここにいると伝えてくれるようで、しあわせと安心を覚えた。
 
 
 
おわり
 
 
 
四〇九、青く深く

6/29/2025, 2:07:39 PM