5日目
朧月夜だったあの日、私は空の神様に向かってお願いごとをした。
すると。薄い白いモヤのかかった空から神様が舞い降り私にこう告げた。
『月とは残酷なものじゃ。満月であれば狼男が牙をむき、三日月であれば吸血鬼が飛び回る。新月になれば魑魅魍魎が闊歩する。不吉不吉と言われ続けた月でも、光り輝く姿はほかの何よりも美しいものじゃ。君もいつか月みたいに輝ける日が来るじゃろう。自分で輝くことができなければ太陽を見つけるのじゃ。月は太陽でも輝くことができる。君にとっての太陽は月にとってかけがえのない存在にもなるのじゃよ。』
とても綺麗に輝く月が、私に似ている月が本当は嫌いだった。
1人じゃ何もできない私が、大嫌いだった。
ならば神様が私に告げた通り太陽を見つけよう。
太陽さえ見つけることができれば私は誰よりも輝くことができる。
あの朧月夜の日、神様が私に告げた言葉で私の人生は大きく変わった。
幸せだと思える日が増えた。
どうか、どうか神様、もう1つだけ私のお願いを聞いてください。
「この幸せを、永遠に。」
7/27/2023, 1:06:56 PM