彼の少しだけ上背を伸ばした背中が命を刻んでいる。稲穂の海を駆けて私達はまた世界の色を奪うのだ。氷の粒が含まれているような風が髪を攫う。耳に当たる風は冷たくて。ああ。この空の下で生きている。一人で部屋で待つよりずっといいなと思ったんだ。
12/21/2023, 7:22:56 PM