日差し
ほんのりとした暖かさ。
瞳は閉じているけれど、明るさを感じた。
うっすらと目を開けると、カーテンの隙間から陽が差し込んでいた。
思わず目を瞑る。
しかし柔らかな日差しは、頭の覚醒を促した。
隣に手を伸ばせば、彼女の気配は無い。
そう言えば朝から会議だと言っていた。
無理をさせるつもりでは無かったが、理性を抑えるつもりはなく。
昨夜のよがる声が脳内で再生される。
ふとサイドテーブルを見ると、走り書きのメモが見えた。
『簡単だけど…』
と書かれたメモを見て、朝食を用意してくれたことを察した。
数分前までいたであろう、彼女の姿がキッチンに映る。
「オレの方が寝入ってたのかよ…」
と少し髪の毛をかきあげながら、ベッドから立ち上がり、カーテンを開く。
この日差しは毒だなと欠伸をしながら、再び彼女の匂いのするベッドへ、身を深く沈めた。
7/2/2024, 12:09:50 PM