私は父と言い争いになり、泣きながら家を飛び出した。
痛いところをつかれて自分の未熟さに惨めになっていた
ずんずんと歩いて気づいたら、
シャッターが続く灯だけがにぎやかな夜の商店街にいた
泣き疲れて深くため息をついた、そのとき。
耳を澄ますと誰かの歌声が聞こえてきた。
その歌声の方へ歩み寄っていくと
人だかりの中で見知らぬ少女がギターで弾き語りをしている。
少女は背格好からして中学一年生くらいだろうか?
まだ少しあどけなさが残っている。
でも声は澄んでいて、
ミュージカル女優のように見る者聴く者を圧倒させる。
歌詞に注目して聴いていると
まるで私の憧れの世界を心体で感じられる情景が浮かぶ
自由で、清々しくて、温かい。
「私はこういう世界を目指せばいいんだ」
また一つ、夢を具現化する材料を得た。
また一つ、強くなるための資材を得た。
帰ったら、父に謝ろう。
そして、私の「したいこと」を素直に宣言しよう。
未熟なところがあるなら、それを活かせばいい。
そんなことをあの少女は教えてくれた。
5/5/2026, 6:52:37 AM