∮星が溢れる
夢を見た。
世界には自分しかいなくて、空は泣いていて
ずっと荒廃した緑を裸足で彷徨った
無限のように感じた永い時間を過ごしたような気分
ふと顔を上げてみたら、そこは一面の青だった
嗚呼、やっと辿り着いた
何故そう思ったのかはおぼろげだけど
きっと君の姿が遠くに在ったように見えたから。
いつの間にか泣き止んだ空は満天の星が輝いていて
ガラス張りの足元を反射し照らしていた
君のもとへ駆け出しても、君は同じ歩幅で進んでしまう
水が弾け、呼応するかのように流れ星が走る
ふと、君はこちらを向いた。
そして、優しく笑いかける
(………─────。)
「待ってっ!往かないでっ、いかないで…!」
姿が崩れ、身体から星が溢れる
あまりの眩さに目を瞑った
「、!!」
起きてみたら、私は泣いていた。
アラームの隣に飾ってある、君との写真を眺める
もう夢は掴めないところまで消えてしまったけれど
この感情は絶対に忘れないと思った
3/16/2024, 5:59:54 AM