作品33 愛を注いで
親に愛され過ごしてきた。血は繋がっていないけど、本当のわが子のように愛されていた。幸せだった。だけど、妹が生まれた途端愛されなくなった。
異性に愛され過ごしてきた。容姿が整っているからだ。どいつもこいつも体目当てだった。後々聞いた話だと、賭けの対象にされていたらしい。
友人に愛され過ごしてきた。お小遣いをたくさんもらえていたからだ。たくさんプレゼントを送った。友人が私の悪口を言っているところを見るまでは。
後輩に愛され過ごしてきた。部活のお別れ会では呼ばれなかったけど。
先輩に愛され過ごしてきた。そのはずだ。だから大学は親愛なる先輩についていった。再会したとき、まじでついてきたのかよと、引かれた。
みんなに愛され過ごしてきたはずだ。それは私の勘違いなのかもしれない。
誰か、私に本物の愛を注いでください。
12/13/2024, 1:56:53 PM