ただ記す

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『風に乗って』

わーーっ…

なんて爽やかで…素敵なテーマ…
読むだけで、こう…柔らかな風に、頬を撫でられるような感触がするなあ。

すごく心地いい。

✽✽✽

…さて『風に乗って』というと。
幼少期、風の強い日にいつもしていたことがある。
今でも、頭の中で映像が浮かぶ。鮮明に思い出せる。

大きく開いた傘を掲げて、風を受けさせる。

次に、じぶんの体をそれに委ねて。

そう、

いつか風に乗って、空へ飛んでいけるんじゃないかって…

信じていた頃があったなあ。


……なんか、「信じていた頃があった」とか言うと、寂しくなるな。…いや、それよりもこう…悔しい…悔しいなすごく。


何かを失ってしまったかのようで。


きっと、その代わり色々得てはいるんだろうけど。

なんか、幼い頃の未知ゆえの夢というか。思考の広がりというか。そういうのを、「ああ、大人になるにつれて、いつからか失ってしまったなあ。」と嘆くような話、よく聞くよな。でも、正直に、正直に言うと私…

そうなりたくない…!!

なんだか、とても悲しい人のように見える気がする。そのように言っている人を見ると。自分がそれを思ってしまうと。

………いや、でも…ちがうな。それだけではないと思う。
その思考は、そんな悲しいだけのものではない。


うーん…


…きっと、子供の頃のそういう夢や希望というのを、
いつまでも純粋に、本心から信じていられる大人はいないだろう。

もし私のように、それを忘れずにいたいと思ったとしても、きっと…それを思った時点で、「現実」は見えてしまっているわけで


傘で空を飛ぶなんてできない、


…そういうふうに、心の奥底では思ってしまっている筈だから。


けれど…



だからこそ、美しいんじゃないのか?

輝いて見えるんじゃないのか。



…そういえばあの頃お母さんは、風に乗って空を飛ぼうとする私のことを、

いつもニコニコして、楽しそうに見てくれていたなあ。

きっとそれは、現実を知った「大人」のもつ眼差しだった。けれど、でも…



いやだからこそ、



とても温かかった。



…そんなふうに思う。



✽✽✽


そういえばこの前、本当に風の強い日があった。(いやもうこれは、私の人生のなかで一番強い風説あるぞ…)とか思いながら歩いていた。

本当に飛ばされるかと思った。
というか、私の歩く軌道は、それこそ「風に乗って」明らかに逸れていたので。

その時もまた、さっきの記憶をしみじみ、そしてほっこりと思い出しつつ…風と全力で闘っていた。

それと

…もしかして今なら飛べちゃったりして。
実際、体は風に負けてるし…このまま飛ばされるくらい、いけそうだ。もし飛んだらどうなるかな。まず大事故確定か。建物にぶつかるだろうか。割とすぐ落ちそう。いや普通に死ぬよな、たぶん。
………なんか想像したら怖くなってきた。


などという変な考えを頭によぎらせたりしていた。

さっきのような、純粋に空を飛べると信じるこころは
もう思い出と化してしまったかもしれないけれど

なんか、こういうのもいい気がする。

好きだなあ。


(五)

4/29/2026, 2:13:07 PM