寒い日が多くなってきた。気がつけばもう年の瀬。初雪のニュースも流れた季節になったのか。寒い季節と共に流行病も流行し始め校内でも手洗いうがいの喚起がなされた。
「冷たい水で手を洗うのはやだなあ」
「お前は大丈夫だろ、なんとかは風邪ひかないって言うだろ」
「はー?お前に言われたくないし。ばーか」
うちの学校はクラス替えが3年間で1度しかない。クラス替えをしてもまたこいつと同じクラスになった。なんだかんだ仲良くなって結局一緒にいることが多くなった。
うちのクラスはクラス替え前からメンバーがあまり変わらないのもあってだいたいのクラスメイトが仲がいい。これからもずっとこのままでいられると思ってしまうくらい穏やかな毎日。しかし、高校生活も折り返し地点をすぎてしまい、早い人は受験勉強をし始めていた。
「あーあ、もう卒業のことを考えなくちゃいけないのかー進路とか考えるのやだな。このままみんなといられたらいいのに」
「お前、まさか寂しいのか?」
「お前とは離れるのは嬉しいけどー」
「なんだよそれ。こっちは心配してやってんのに」
「心配ご無用!」
あーやっぱりこんな冗談言い合える毎日が続いてほしいな。鼻の奥がつーんとする。
「おい、見ろよ。雪だ」
「え?わあ!」
吐く息も白いのに雪はそれ以上に白い。寒く感じてマフラーに顔を埋める。
「なんだ、お前。寒いのか?」
「寒いのが苦手なだけだ…」
全部、話きっていないのに手を引っ張って駆け出された。近くのコンビニに駆け込まれると
「何飲む?」
ホットドリンクコーナーに引っ張られる。
「ココア」
コンビニの中は暑いくらいだった。
「はい」
渡されたココアが熱いくらい。
「あち!」
「はー?お前忙しいやつだなー。寒いっていったり熱いっていったり」
「寒いって言ってないし!ココアが思いの外、熱かっただけだ!」
「もっと近寄れば寒くないじゃん」
ココアごと自分の上着のポケットに私の手を突っ込む。
「少しは違うだろ?」
今までこんなこと、なかったじゃんか。いや、私もきっと風邪を引いたんだ。微熱気味なんだ、きっと。
11/26/2023, 2:44:50 PM