ワクワクすることに出会いたい。
知らない何かをもっと知りたい。
そんな好奇心というものに形があるのなら、だんだんと小さくなっていて、色があるなら薄くなってきている、今はそんな感じ。
どんな感じだよ、思わず自分にツッコミを入れてしまう。
若いころは勝手に向こうからやって来ていた好奇心が、大人になればなるほど、向こうからは来てくれなくなった。
好奇心がなくなったわけではない。たぶん、気力と時間がないだけだ。
学生のころの私はどんな感じだったっけ?
ふとぼんやり、そんなことを考え始めた。
英語の時間に英和辞書を捲って気になった単語をノートに書き写していた。
国語の授業中には辞書を頭から読んでいた。
確か、歳時記も読んでいた。小春日和が秋とか冬のことだと知ったのは歳時記を読んでいたからだ。
スーパーに菜の花が並び始めると春が来たなと思うのは、歳時記を読んでいたことと繋がっている気がする。
新しい何かを急に始めることは難しいから、学生時代を思い出して、歳時記を読み返してみることにした。
春の季語と言えば、やっぱり桜。
桜餅も春の季語だよね。
春の季語の中に、草餅もある。よもぎっていいよね。
春になると、おばあちゃんがよく草餅を食べていたなあ。
祖母は緑色がとても好きで、草餅も綺麗な緑色をしているから好きなのだと子供ながら思っていた。
そういえば、宝石にも季語はあるのかな?
祖母はエメラルドの指輪を大切に持っていた。
今は、私が譲り受けたけれど、まだ似合わない気がして、着けて外出をしたことはない。
とても綺麗な緑色をした、祖母の宝物。
エメラルドの和名でも探してみたけど歳時記には載っていなかった。
エメラルドの和名「翠玉」はカワセミの羽の色からきているらしい。
綺麗な色の小さな鳥。
カワセミは載っていた…夏の季語だ。
好奇心というやつは、こっちから迎えに行かないと顔を出してくれないのかもしれない。
今度、本物のカワセミを見に行こうかな。
羽の色をこの目で確かめにいこう、あのエメラルドの指輪を着けて。
せっかく歳時記があるから、17音の俳句に挑戦してみようかな、
なんてことを考え始めている。
よかった、もっと知りたいという気持ちが私の中にちゃんと残っていた。
『カワセミを倣いて 祖母のエメラルド』
…なんてね。
【もっと知りたい】
3/13/2026, 8:57:33 AM