高い天井の窓から射し込む太陽の光。
ここには、物が一つもない。
あるのは、天井の窓と、鍵が掛かったドア。
今、何月何日で、何時だろう?
ガチャッ!
ドアの鍵が解除される大きい音に、思わずビクッ!としてしまう。
ドアが開き、奴が入ってきた。
「おはよ〜。元気〜?」
明るい声で話しかけてくる奴。
もちろん、元気なんかあるはずもなく、返事する声も出ない。
「まっ、私を熱い視線で見れるなら大丈夫そうね」
熱い視線ではない、睨んでいるんだ。
「……なぁ、いつここから出られるんだ?」
絞り出すように声を出し、奴に問う。
「私と結婚してくれるならすぐに出してあげるわよ♪結婚してくれる?」
「お断りだ」
奴は俺のことをずっと前から知っていたらしいが、俺は奴のことは全く知らない。
夜の町で声を掛けられ、バーで一緒に酒を飲み、気がつくと……手錠を掛けられた状態で、この部屋に居た。
多分、俺は誘拐されて監禁されたのだろう。
時計もカレンダーもスマホもないから、あの日から何日経ったか分からない。
「あなたが結婚してくれるまで、ずっとこのままよ。またあとで来るから♪ちゅっ♪」
奴は俺に投げキッスをして、部屋から出ていった。
ガチャッ!
再び、ドアに鍵が掛かる。
閉め忘れてくれれば、チャンスはあるのに……。
一体、俺はいつここから出られるのだろう。
上を見上げると、太陽が心配そうに、俺を見ていた。
1/12/2026, 10:08:04 PM