きゆう

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        「突然の別れ」
    
       私の友達は少し変だ

  ある日彼女が虫を潰して笑っている姿を見た
        鳥肌が立った
    
     彼女が家で大事に飼っていた
    私の手と同じくらいの大きさの虫だ
   彼女はぶつぶつと何かをつぶやき笑いながら
  両手の間にはさんでこするようにして潰した
        鳥肌が立った
   私は彼女とはもう関わらないことにした

    彼女と話さなくなってから一ヶ月
     彼女は突然学校に来なくなった
        
        どうしたんだろ
  
  少し心配したが嬉しい気持ちの方が強かった
       もうビビらなくていい

      学校が終わり家に帰った
 リビングに入るといつもと同じ母の姿があった
        「ただいまー」
      「お帰りお友達きてるよ」
   
          誰だろ 
   私はワクワクしながら自分の部屋に入った 

     入った瞬間私は動けなくなった 
     部屋の真ん中にぽつんと座り 
  こちらを向いてニヤけているのは彼女だった
   私が動けずに部屋の入口で立っていると
     彼女が近づいてきて耳元で囁いた

  「突然別れることがあっても忘れないでね」

     あれ なんか聞いたことあるな
     私は倒れた 同時に思い出した
一度彼女の家に遊びに行った時に何度も言っていた
 その時は「誰」に言っているのか分からなかった
        だが今分かった
   「人」ではなく「虫」に言っていたのだ
  
   ぼやけた視界に映つりこんだ彼女の顔は
        とても笑っていた
    
           

   
  

   
      
   
     
   

    

5/20/2023, 7:47:31 AM