「俺と結婚してください!」
ピンク色の紫陽花が咲き乱れる公園で俺は彼女にプロポーズをした
「ごめんなさい。あなたのことは好き。だけど結婚は考えてないの」
「俺じゃダメってこと?」
「そうじゃなくて、人の心って変わるでしょう?私には誰かと永遠を誓う自信がないから」
空が涙をこぼした
俺の心を代弁するかのように…
空の色が変わり季節が巡る
「あれ?ここの紫陽花ってピンクじゃなかったっけ?」
公園の紫陽花が紫色に色付いている
「紫陽花って土壌のpHで色が変わるのよ」
「へぇ知らなかった」
「花の色だって変わるんだもの。人の気持ちだってあっさり変わるわ」
そう言って笑う彼女の指には、去年受け取ってもらえなかった指輪が煌めいていた
***一年後***
6/24/2024, 10:26:19 AM