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「好きです」って、駅のホームで。
今でも思い出す、本当の話。

青い春を過ごしていた高校2年生の私は、セーラー服を着て、一世一代の告白をした。
電車が毎日一緒な、男子校の彼。
その日は朝から暑い夏休みで、部活があった私もいつもラケットを持っている彼も、同じホームで同じ電車を待っていた。
部活を引退したら、少しでも時間がズレたら、もう二度と会えなくなる。そんなことで会えなくなるほど、薄い関係。それでも、大好きだった。

夏休みの間、言うか言わないか。声をかけるかかけないか、悩んで、ウロウロして。彼からしたらよほどの不審者だったかもしれない。私が彼の方に歩くと、向こうが気づいて「?」というように首を傾げてきた。
認識された、もう逃げられない。いや、逃げちゃダメなんだ。しっかり目の前に立って、伝えた。
「あの…私」
『ああ、えっと、いつも同じ電車の人ですよね。部活すか?』
「そうです」
前から知っていた、と聞き、素直に嬉しい私。日常会話を交わしたこと、ひどく嬉しかったこと。今でも覚えてる。
「私、伝えなきゃと思ってたんです」



「好きです」

「ずっと、好きでした。まだ、同じ電車の人っていうイメージしかないかもしれないけど。友達からでいいので、恋愛対象として、見てもらえませんか」

5/28/2023, 3:20:42 PM