空母の甲板に男は立っていた。先ほど離陸したばかりの機体は、水平線の向こう側に消えていく。武力のない世界はきっと素晴らしいものだろう。だが、それはただの理想に過ぎない──彼女はいつもそう語っていた。いつか死ぬ、だが今はその時ではない。祖国の空を飛び立つ彼女に、男は敬礼で見送った。『遠き青の果てより』どこまでも続く青い空
10/24/2024, 9:46:10 AM