東雲 陽

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大好きな君に

希月市 あけぼの街 7丁目 8番

      大好きで大切な君へ 

 こんにちは。あるいは、おはようございます。
 ……いや、君は確か夜が好きだったね、だから挨拶は「こんばんは」がいいかな。
 最近ね、よく君のことを思い出すんだ。街を歩いている時とか、仕事をしてる時とか、あとは……本屋さんにいる時とか!思い返せば私ってあんまり君のこと知らない気がするの。何色が好きとか、和風と洋風ならどっちがいいとか、信号が点滅したら走る派か待つ派かとか。そういう日常のなんでもない選択のこと。君ならどういう選択をしたかなーってたまに考えちゃうんだよ。
 あとね、星空を見ている時も思い出すよ。今日はよく星が見えるな、君も見てるかなーって。月が昇ってきたの見てたかなとか、沈むまで起きてるのかなとか。

 手紙を書くのなんて久しぶりだから、どうにもまとまらなくて困るな……。肝心なこと何も書いてないのに、もう二枚目。
 あのね、今回筆をとったのは君にありがとうを伝えたかったからなんだ。何かをしてくれてとかそういうありがとうじゃなくて、もっと広義的な「ありがとう」。なんだろう、もう生きててくれてありがと〜!くらいの広ーい意味。別にいつも通り言葉で伝えればいいんだけど、紙とか手紙の方が気持ちって伝わるでしょ?たぶん。……伝わったよね?!伝わってない?じゃもう1回書くね、ありがとう!

 さて、三枚目。あ、2枚目の下が空いてるのは許してね。なんとなく区切りたくて……。
 君に聞きたいことがいっぱいあります。
 それなりに元気ですか。
 美味しいご飯が食べられていますか。
 暖かい布団で眠れていますか。
 空を見る余裕がありますか。
 暗い夜道で立ち止まっていませんか。
 明かりのない部屋で泣いてはいませんか。
 心は息をしていますか。

 ──君は今、幸せですか。

 この手紙を読む君がどうか優しくてあたたかい気持ちでいてくれたらいいなぁと思います。
君への手紙なんて何枚でも書けるけど、読むのも大変だし分厚くなっちゃうのでこの辺にしておくね。
 またいつか会ったら、ここに書ききれなかったことをいっぱいお話しよう。
 それでは。


夢見街 夢ノ溜リ場 2丁目 9番

        忘れられた場所 から愛をこめて。
         ゴ ミ 捨 て 場

3/4/2026, 1:50:32 PM