るに

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星ってのは
いくつか集めると願いが叶う。
食べることもできて
どの星も味が違う。
私が好きなのは
あの紫と青と黄色が混ざったような星。
甘酸っぱくて
ちょっと辛くて
でも安心する味。
甘党だけど安心するためなら
この星を何個でも食べる。
味にこだわらなくても
感覚にこだわればそれだけで。
そんな味より感覚派の私は
まだ一度も星に願いを叶えてもらったことがない。
叶うはずがないから。
私の願いは無いから。
じゃあ食べるしかないよねって話。
星の味は誰よりも詳しくなった。
色で大体の味はわかるようになった。
それでも少し寂しいのは
周りの人たちが次々と
願いを叶えてもらっているのに、
私だけ置いてけぼりで
暗い洞窟の中に閉じ込められてるみたいだから。
ある時旅人に会った。
自由で広い世界を見てきた少女だった。
星を沢山集めているが
願いを叶えてもらわず、
食べもせずに
ただ貯めていた。
私の話を聞くと
紫と青と黄色が混ざったような星を渡して
耳元でこう囁いた。
願いがないなら、それを叶えてもらえばいい、と。
夜、試して見た。
願いが欲しいです。と
星に願って
星に酔って
澄んだ夜空の星は
どれも紫と青と黄色が混ざったような色をしていた。
"Good Midnight!"

2/10/2025, 2:51:28 PM