夕暮れのラストシーンが印象的な小説はいくつもある。日没は一日の終わり。だから物語の幕引きに似つかわしいのかもしれない。
私が好きなのをいくつか。
夕焼けのむこうの国。そこでは、時計はいつも日暮れで止まったまま。(竹下文子『木苺通信』)
那須湖畔に雪も凍るような、寒い、底冷えのする黄昏のことである。(横溝正史『犬神家の一族』)
見る間に、太陽はぶるぶる慄えながら水平線に食われていった。海面は血を流した俎のように、真赤な声を潜めて静まっていた。(横光利一『花園の思想』)
(沈む夕日)
きれいな夕日を見るとスペシャルサンドを連想します。
4/8/2024, 9:44:19 AM