燈翠。

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∮どこにも書けないこと

昔、女の子が好きだった。

好きっていう自覚はなかったけど、今思い返せばあれは好きという感情だったのかなと思う

小学5年生くらいで、その子がある男の子に告られたとき

その子は告白を断って、そんな悪いやつじゃないけどと言いながらあっけらかんとしていた

よく一緒に喋っていたちょっかいをかけてくる男子が

「よくこんなんに告ろう思ったな、凶暴だし」

なんて言うもんだからすかさずその子が反撃して

私はその姿を見て笑っていて


その日の帰り道。毎日一緒に下校していたからいつも通り、他愛もない話をしていた

あんまり会話の内容なんて思い出せないけど
でもこれだけは記憶に残っている

ふいにその子が言ったこと

「でもなーほんとなんで告られたんだろ。そんな魅力ないっしょ」

「えー笑?いやいやあるでしょたくさん」

何気ない会話のワンフレーズ、たったそれだけ。

そんな些細な自分の言葉と同時に感じた感情を、私は今でも鮮明に覚えている

(私はそいつなんかよりもずっと、その子のいいところを知ってる)

「だってうちのどこが好きか聞いたらビジュってどうよー?」

(私なら一つのことに集中して一生懸命に取り組むとことか、笑ったときに目尻が下がる顔が好きとか、いっぱいあるのに)

「まあだから彼氏にしたいとかは‥ねぇ?」

(私ならその子を幸せにできる、私がその子の彼氏になれたらいいのに)

LGBTなんて存在すら認識してもいない幼さの頃。

こんな風に思うことが、人と違っていることも

友だちにはそんな感情を覚えないことも

これを読んでくれているあなたにも聞きたい。

あなたは、友だちに恋に似た感情を覚えたことはありますか?


その後、私たちは大きくなって

今でもその子は私にとって大切な幼馴染の友達です

2/7/2024, 4:09:47 PM