ハイゼ

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朝起きることが億劫になったのはいつからだったか。 携帯がけたたましく鳴り、朝が来てしまったことを伝える。
起きなければいけないのに、どうも身体は動こうとはしてくれない。

「おい」

頭上から声が降り、耳障りな音を止めた。
いつもは声も掛けずに出かけるくせに今日は違うみたいだ。薄れる意識のなかそんなことを考える。

「早く起きろ」

少し寂しさを滲ませた声にまた閉じようとしていた瞼をはっと開き、そいつと目を合わせる。

他人に興味ありませんみたいな顔して人一倍寂しがり屋なそいつの声をアタシは何故か放っておけないらしい。
完全に覚醒したことを確認したそいつは悪戯が成功した子供みたいにニンマリ笑う。

「おはよ」

机には温かいコーヒーが2つ並んでいた。

1/28/2023, 2:29:54 AM