大空に架かる、虹の大橋🌈。
あれを渡り、会いたい人のもとへ。
どれくらいの距離があるのだろう。
あの角度は登れるのだろうか。
そもそもが、空気中の水滴の反射でしかない。
実体として、人が渡れるようなものではないはずだ。
それでも、会いたい人がいるのなら。
試してみる価値はある。
二年前から音信不通のあの娘。
LINEのメッセージには既読がつかない。
今の居場所も分からない。
この虹の大橋が、僕を連れて行ってくれるだろうか。
彼女に会いたい。
僕はスマホひとつ持って、そのふもとへ向かう。
だけど、歩き続けて、もう虹の橋は消えてしまった。
雨上がりの街の真ん中で、途方に暮れる。
そこに、LINEの着信音。
画面見ると、音信不通のあの娘から。
「お久し振りです。来月、結婚します」
未読だったメッセージがすべて既読に変わっている。
そうか、ここからだ。
来月、結婚式で会えるかな。
虹を渡るリスクが無くなった今、僕が命を賭けるべきはひとつだけ。
君を奪還する。
あの虹のように、僕の前から突然消えてしまった君を。
9/21/2025, 11:20:24 PM