語り部シルヴァ

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『眠りにつく前に』

日記も書いた。
明日の準備も終わらせた。
今日やることは全部済ませた。

あとは...
窓を開けて外の夜風を浴びる。
ひんやり冷たく、どこからか金木犀の匂いがする。
この時期の夜風はいわゆる期間限定だ。
ちょっと寒いけど、気がつけば終わってしまうから
1日たりとも欠かさず浴びる。

それに布団が暖かく感じて眠りにつきやすい...
ずっと吹いていて欲しいが、
金木犀の咲いてる期間はとてつもなく短い。

あの匂いが無くなった日の夜風はとても寂しく感じるだろう。
そんな寂しさが増すように
今日も金木犀を纏った夜風を浴びる。

体が芯まで冷えていく。
よし、そろそろ寝ようかな。
寝間着が凍るような冷たさと金木犀の香りを
夜風からおすそ分けしてもらった。

今日もよく眠れそうだ。

語り部シルヴァ

11/2/2024, 12:32:31 PM