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誇らしさ、とは一体なんだろうか。勝つこと、可能にすること、日常を平穏に過ごすことも十分誇らしいだろう。世間は若者のことを謙遜しすぎだ、とか勇気がないとか息を荒くして喋るがそんな風にしたのは一体誰なのやら。こうしなければ生きられなくしたのは間違いなく自分達よりも上の世代で、そして世間全体なのに。
けれど、今回ばかりは自分を誇っていいのかもしれない。勇気を出して「助けて」の一言を言えた自分自身も、その一言を聞いて手を差し伸べてくれた優しい君も。ずっと誰にも言えなかったその一言は案外あっさりと受け入れられて、君には褒められた。助けを求めるのは並大抵の勇気じゃない、誇るべきだ、と。嗚呼、そんなことでいいのか。自分を卑下して自ら病みに行く必要なんてなくて、ただ自分の行動を認めるだけでいいのか。その途端にふっと心が軽くなって視界が歪んでしまった。泣かないで、と困った顔を見せた君に涙を拭われた。

誇らしさとは、思っていたよりも些細なことでいいらしい。



[誇らしさ]

8/16/2022, 12:14:29 PM