嬉しくなるとすぐに泣く、何なら子供よりも派手に泣く。あの人はそういう人だとよく知っていた。それでも告白を受け入れたあのとき、ぼたぼたと泣かれながら抱きしめられてさすがに少し引いた。好きな人とはいえ、さすがに。あれから日が変わって今、一人の夜。全身と肩口に感じた熱はとっくに消えた。ここにないものを手繰り寄せようと、ベッドの上で無駄に寝返りを繰り返す。確かに引いたはずなのに、この状況を持て余してどうしようもない。明日は会いに行こう、そして寂しかったと当てつけてみよう。また泣かれたらそれはそれで。
(題:雫)
4/22/2024, 3:35:17 AM