にゃんこめし

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目の前にいるのに一度も目を合わせてくれなかった。その事実に初めは仕方のない事と割り切っていたはずなのに。
帰り道で突然、どしゃ降りの雨が降った。傘をさしても全身濡れてしまうくらいの大雨。水溜まりを走り抜け、急いで駅に向かい、どうにか新幹線の発車時刻に間に合った。座席に座ってほっと一息つくと、熱いものが込み上げてきた。家に着くまではそれを一つも溢すまいと必死にこらえていた。
どしゃ降りの雨はわたしの心情そのものだ。それくらい本気の恋だったと改めて知った。あの夏のことはずっと忘れない。

9/12/2024, 1:07:07 PM