【理想のあなた】
[5/6 君と出逢って
[5/9 一年後
[5/12 愛を叫ぶ 続編
登場人物
紬 剛志
優斗 雅
愛の告白から一週間後
「優斗さん、先週会った時、剛志と雅ちゃんが、近くで見ていたの知ってますか?」
「えっ、そうなんですか?」
「あの日、家に帰ったら剛志に〈良かったね〉って言われたんです。それで問い詰めたら白状しました。優斗さんは雅ちゃんに何か言われてませんでしたか?」
「女は、ちゃんと言葉にしてほしいのよ。とか、その気がないと思われちゃうわよって言われて気持ちを伝える決心が付いたんだ」
「私も、似たような事を剛志に言われたのよ」
「どうやら、ふたりがキューピットだったんだね」
「ちょっと癪に触るけどね」
今日も公園デート。デート?、デートだ。私達恋人だからデートなんだ。ワーなんか照れるなぁ。
「どうかしました。顔が赤いですよ」
「いえ、何でもありません」
ふたりはゆっくりと歩き出した。
どうしよう、‘手’握っちゃおうかな。無理むり無理!そんな事出来ない。
「本当に、大丈夫ですか?顔が真っ赤ですよ」
「ゴメンない。本当に大丈夫です」...大丈夫じゃないよ。心臓バクバクだよ。
「あそこのベンチで少し休みましょうか」
「は、はい」
困ったな。意識しちゃって何話したらいいか分かんないや。
「紬さん、今日はいい天気ですね」
「はい」紬さんか、‘つむぎ’って呼んでほしいな。恋人なんだから。よし、勇気を出して言ってみよう。
「あのー、出来たら‘つむぎ’って呼んでくれませんか?恋人なんだし」
「そうですね。ちょうと照れるけど、これからはそうします」
「つむぎ」
「はい」?なんか声が違う。振り返るとそこには剛志と雅ちゃんが仲良く手を繋いで立っていた。
「剛志また付けて来たの?」
「違うよ。ボク達もデートで、またまたここに来たんだ。喉が渇いたからジュースを飲もうと思ったんだけど、あそこのお店のジュースが美味しそうで。でもお店に小学生ふたりじゃ入れないし。そしたら、お姉ちゃんを見かけたんだよ」
「それじゃあ、僕達と一緒に入ろう。好きなものを頼んでいいよ」
私達は、4人で食事をしてお店を出た。
「お兄さん、お姉ちゃんの事をよろしくお願いします」
「もちろんだよ。剛志くんも雅の事よろしくね」
「雅ちゃんは、ボクが全力で守ります」
「カッコいい。やっぱり剛志くんはわたしの理想の人だわ」
「それじゃあボクたちはここで。お姉ちゃん遅くなるようだったら、帰って来なくてもいいからね」
「やかましい!剛志は早く帰って来なさいよ」
おわり
5/21/2024, 9:02:25 AM