歓声が鳴り響く。劣等生として虐げられてきた過去の俺はもう居ない。家族から、仲間から見放され、ひとり孤独に力をつけてきた。愛用の黒いコートが風を切ってたなびいている。体が震える。こんなあからさまな武者震いは初めてだ。俺は確りと前を見た。 観客の、ファンの声。心臓がどくりと跳ねた。高揚感で体が火照る。心臓と呼応するように深く息を吸って、俺は対戦ステージへ続く階段を駆け上がって行った。《心の深呼吸》
11/27/2025, 11:57:46 AM