彗星

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題:信号の先の一瞬

 ピーチさんとデイジーさんと都会に遊びに来た私、ロゼッタ。
 まず何をするか話し合うべく(何も決めてなかった)、カフェに行くことにしました。
 そこでピーチさんはカプチーノを、デイジーさんはカフェラテを、そして私は、フラペチーノを頼みました。
 少しして運ばれてきた飲み物を飲みながら、話し合いました。
 行き先が決まりカフェを出て目的地に向かっていると、信号につかまってしまいました。
「今日はツイてないわね~」
「そうよね、全部つかまってる」
「……」
 ピーチさんとデイジーさんが不満を漏らしている中、私は信号の先のある人をじっと見ていました。あっ、決して変態が見るような目ではありませんのでご安心を。
 その人は、なんだかたくさんの女性に囲まれている(絡まれている?)ようでした。
 その人は嫌そうな顔というか、苦笑いというか……。とにかく、困っているようでした。
 だから信号が青に変わった途端、私はその人に素早く近づき、前に出ました。
「!?」
「ちょっ、ちょっと、何なのアンタ!」
「何なのアンタはこっちのセリフ」
 私は女性達と真っ向から向き合いました。(こういう時に無表情は強いです)
 急に走り出した私に驚いたピーチさん達も、走って追いついてきました。
「ロゼッタ貴方、何やってるの!?」
「何って、この人が困っていたから」
 私のすぐ横に来たピーチさんが小声で問うてきました。私はチラッと後ろの方を見て簡潔に言いました。
「……なるほどね」
「で、貴方達は何をしていたのですか」
「何って、その方とお茶しようとしてたのよ!それをアンタが邪魔するから!」
「ふーん、だとしたら、お茶の誘い方が馬鹿ですね。もっといいお茶の誘い方ってものがあるでしょうが」
「なっ……!」
 話していて分かったのは、この女性達は学生だということ。学生時代から人気者なんて、羨ましい。
「この方は私の彼氏です。か・れ・し」
「っ………!!」
 言い終えた途端、学生達の顔が驚愕に変わりました。その後、あっさりと学生達は去っていきました。
「すみません、勝手に彼氏と言ってしまいまして。ただ、これしか手立てが無かったので」
「え、いえいえ、こちらこそすみません、助けていただいて」
「では、こちらは用があります故、おいとまさせていただきます」
 そう言って立ち去った私。ピーチさん達も傍観しているだけでしたが、慌ててついてきました。
 助けた方の顔が一瞬紅く見えたのは気のせいでしょうか。

 
 突然ですが、皆さんに問題です。ロゼッタが助けた相手は誰でしょう?
 ちなみに学生達は、彼の名を出すのは彼に見合う者だけだと思っているので言っていません。
 ロゼッタ「ぜひやってみてください。あ、心の中で答えを言っても良いです」
お題『信号』

9/6/2025, 5:52:18 AM