あめあめふれふれ、小さな傘を差した子供が歌っている。しばらく雨は降りそうもない、晴れ渡る空の下。側で野良仕事をしていた老婆が「やめとくれ」とボヤく声がしたが、子供は聞こえていないのか歌うのをやめようとはせず。小さな黄色い傘をクルクル回して、繰り返す。 あめあめふれふれ、あめあめふれふれ。そこが気に入っているのか、同じところばかりを。老婆の諦めたような大きな溜息が、青いブドウが揺れる段々畑に響いた。テーマ「あいまいな空」
6/15/2024, 9:58:11 AM