灰燼

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天を仰ぐ。澄んだ空、薫風が吹き、揺れる植木。

視線を落とす。溢れ出る赤、地面に転がっている物体。

恋をしてたんだ。君に。愛してた。何度も想いを伝えた。でも君は一度だって答えてくれたことはなかった。
別にそれでもよかった。君が自由に生きてくれていれば、僕はそれだけで幸せだった。

そう、僕が愛して、恋をしてたのは自由な君だ。
他人のものになってしまった君じゃない。
君が自由じゃないと意味がない。だから。

僕が愛した君に戻してあげる。

6/3/2024, 12:36:37 PM