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121.『雪明かりの夜』『凍てつく鏡』『心の旅路』


 『人生は選択の連続だ』。
 誰が言ったかは分からないけど、いい言葉だと思う。
 私はまだ若輩者だけど、それを痛感するほどたくさんの選択があった。

 今この瞬間もそうだ。
 重大な選択を迫られている。

 私にはやりたい事がある。
 でもリスクも大きく、私はためらっていた。
 しかし諦めるには余りにも惜しい。

 やるべきか、やらざるべきか……
 それが問題だ。
 私は途方に暮れていた。

 長大な旅で目的地を見失ったような感覚……
 私は立ち尽くしたまま、どこに行けないでいた。

 窓の外を見る。
 いつの間にか雪が降っていた。
 外はしんと静まりかえり、雪に月の光が反射し、周囲を明るく照らしている。
 私は迷った末、意を決して外に出る。
 思考をまとめるためだ。

 雪明りの夜は想像以上に明るい。
 足元ははっきり見えるほど明るいが、私の心は暗いまま。
 少しも晴れることはなかった。

 当てもなく歩き、近所の公園に辿り着く。
 それでも答えは出ない。
 少し休もうと、ベンチに座ることにした。

 ベンチの近くには池があった。
 池は一面凍っており、鏡のように滑らかだった。
 ふと好奇心にかられて池をのぞき込む。
 これほど綺麗に氷が張っているなら、自分の顔が映るのではと思ったからだ。

 しかし、私は思わず飛び退った。
 凍てつく鏡に映っていたのは、想像したようなものじゃなかったからだ。

 そこにあったのは、自分の醜い顔。
 迷いで歪み、疲弊しきっ表情。
 それほどまでに、私は追い詰められていたのか……

 私は決心をした。
 こんな顔をするくらいなら、いっそやりきってやろう。
 もしかしたら、白い目で見られるかもしれないが構わない。

 心の旅路はここで終わり。
 迷いは消えた。
 後は行動するだけだ。

 スマホを手に取りロックを外す。
 開くのは地図アプリ。
 自分の家を確認し、目的地を確認。

「このルートなら最短で多くの家を回れる。
 お年玉もらい放題だ!」
 きっと大人からは嫌な顔をされるだろう。
 けど知ったことか!

 お金があってこそ、人生は豊かになる。
 私のお正月は、ここから始まるのだ!

1/1/2026, 12:13:52 PM