#君と出逢って、
―――
どうか時間よ、永遠に
―――
ぼんやりと灯る、月の光を覚えている
物音をたてまいと
抜き足差し足と外に出て
そのまま、頼りない暗道を駆けた
着いた時には
余裕ぶった人影を見つけて
でも、いつもの半袖じゃ少し肌寒くて
彼奴の予備の羽織を借りたっけ
そうまでして外に来た理由が
「本物の朝日を見たい」なのだから
まぁ子供の時期の行動力に、改めて驚かされる訳だ
川の土手に腰を下ろして
少しの間は、ただ上を見上げていた
「くれーな」とか「暇だな」とか
ボヤき始めたのは、多分俺から
「文句言うな」と、最初こそ文句を出してきた彼奴も
やはり暇さには勝てなかったようで
ちょっとして、ボヤきが増えた
その時は...そうだ、しりとりを延々と繰り返していたんだ
結局意地の張合いで、勝負は日の出に遮られてしまったが
”眩しいな“
なんともまぁ、子供らしい感想を抱いた
一等、明るい太陽だと言う印象
だが、彼奴は違ったようで
まるで洗脳でも受けてるように
日の出に目を奪われていた
太陽光を反射しながら
彼の頬を伝ったモノの正体も、理由も
もう、知ることはないだろう
あの後、案の定鬼は角を生やしたが
帰り、彼奴と買ったココアの味は忘れない
忘れられない
忘れ、たくない
もうすっかり、時が経って
角が生える、と怯えることもなくなって
徹夜終わりにふと、窓の外を覗くと
昔のあいつの気持ちが、少しだけ分かった
嗚呼、願えるならば
あの時に戻りたい
言いたい事は沢山あった
やりたいことも沢山あった
ただ、何より
あの時伝った感情を、共有してみたかった
5/5/2026, 2:00:29 PM